祇園祭(祭り)のお稚児さんとは…歴代の家柄は中西?費用(お金)と生活、選び方やその後…提灯の行列や決定した後の役割、生贄、会社の経費(稚児社参で)、長刀鉾や稚児餅、斎王代の選び方やお金持ちのお祝いについて、条件、京都、子供【2023年最新】

Advertisements
 





 

祇園祭のお稚児さんに選ばれるのは

由緒正しい家柄の御曹司だけなのか。

 

お稚児さんには高額な費用がかかると言われるが幾らかかるのか。

お稚児さんに選ばれた後、お務めを果たすまでの一風変わった生活とは?

 

 

Advertisements
 





祇園祭の歴代の稚児、斎王代の選び方。

 

 

2009年にユネスコ無形文化遺産に登録された

京都祇園祭山鉾行事」は、国内だけでなく

 

海外からも100万人以上もの観光客を集め、

賑わいを見せる京都三大祭りの一つだ。

 

その歴史はおよそ1100年以上も前に遡り、元々は

疫病を鎮めるために鉾を立てて祈ったことが始まりだとされる。

祇園祭は7月1日から1ヶ月の間に様々な祭事を行うが

 

その中でも一番盛り上がるのが前祭(さきまつり)と

後祭(あとまつり)の最終日に行われる

山鉾巡行(やまほこじゅんこう)」なのだ。

 

山鉾とはいわゆる山車のことで、山鉾巡行に使われるのは

全部で33基あり、いずれも肩に担いだり、車で引いたりするものだ。

 

昔は船鉾町以外の全てにお稚児さんが乗っていたが、

今は先頭の長刀鉾(なぎなたほこ)以外はお人形さんを乗せているのだ。

 

毎年祇園祭のお稚児さんが決定すると地元では

ニュースにもなるが、実はその祇園祭のお稚児さんの選び方

選んでいる人たち以外、厳密には誰も知らないのだ。

 

ただし、他の地域の祭りのお稚児さんはともかく、

京都の祇園祭のお稚児さんは少なからずそこそこの家柄の子息から

選んでいると言える。と言うのも、祇園祭には色々とお金がかかるのだ。

 

個人の推測の域を超えないが、自分が思うに、

2017年からクラウドファンディングで祭りの費用の一部を

集めているように、祭り自体にも結構なお金がかかるのだから、

 

お稚児さんにかかる費用はお稚児さん自身でもってよね

ということなのだと思われる。またお稚児さんになれる条件としては、

一年以内に身内に不幸がなく8歳から10歳の男の子であることだ。

 

ちなみに晴れて2023年のお稚児さんに選ばれたのは、

京都市内に住む和菓子の製造販売会社「鼓月」の中西社長の長男だ。

調べてみると、歴代のお稚児さんも代々社長の家が多い。

 

ところで京都には年間大小300もの祭りが有ると言うが、

三大祭りの残りの二つは葵祭と時代祭とされる。

 

どちらかと言うと、祇園祭が庶民の祭なのに対し、

葵祭は貴族の祭だった。祇園祭の山鉾巡行の主役が

お稚児さんだとすると、葵祭の主役は斎王代だ。

 

斎王代の選び方は祇園祭のお稚児さんの選び方同様、

わかっていない。が、そこそこの家柄の人と言うのは

お稚児さんの時と同様で、その他の条件は年齢が20代

 

未婚女性で有ることだ。お稚児さんにせよ、斎王代にせよ、

そこそこの家柄の人と言うのが共通点だ。

 

 

長刀鉾の稚児の費用は?

 

 

 

 

では、祇園祭の長刀鉾のお稚児さんという、

とても名誉ある役目に選ばれると一体どれくらいの費用がかかるのか。

 

なんと、お稚児さんも斎王代も約2000万円ほどの経費がかかるというのだ。

マンションなら小さい部屋が一軒買える!

それぞれ何にそんなにお金を使うのか。

 

お稚児さん:

・お稚児さん本人の儀式ごとの衣装代

両親の羽織袴と紋付の着物を新調する費用

 

・移動の為の車代

・関係者の飲食代や接待費

 

・各所へのお供えや寄付金

・祇園祭の後の宴会代、など

 

斎王代:

・藤の花で飾った牛舎や輿代

・十二単の生地と仕立て代

 

・十二単のクリーニング代

女人行列の費用

 

・関係者の食事代、接待費用

・各所へのお供えや寄付金、など

 

 

斎王代の特徴としては費用の半分くらいが

十二単にあてられているとこだろう。というわけで、

ほんの一回の名誉ある役のために、

 

この莫大な金額を負担できる家と言ったら

そう多くはないだろう。

めでたくその名誉あるお稚児さんに選出された後、

 

その子供は祭までどうやって過ごしているのか、

ちょっと面白いので簡単に紹介しよう。

お稚児さんに決まった後は下記のことを守らねばならない。

 

女人禁制。話すのは良いが、家族ですら触れ合ったりしてはいけない。

・身の回りの世話は全て男性が行う。料理も父親が作る。

 

・公の場では地面に足をつけて歩いてはならない

「強力(ごうりき)」と呼ばれる男性の肩にかついでもらって移動する。

・八坂神社の紋であるきゅうりを食べてはならない

 

この現代において、ずいぶん時代錯誤的な感じであるが、

神様の使いなんだからと聞けば、

これくらいやってやっと神聖な感じになるのかもしれない。

 

 

祇園祭の稚児餅って?

 

 

 

 

ところで、自分的には祇園祭と聞いて

もう一つ思い浮かべるのは稚児餅だ。知っているだろうか。

 

「稚児餅」とは八坂神社の敷地内にある老舗、

二軒茶屋中村楼」が7月13日に八坂神社で行われる

「稚児社参」に献上する菓子のことだ。

 

細長い餅が串に刺さっており、表面がこんがりと焼けて、

見た目は五平餅の上品版のような感じだ。

特徴となるのは餅の周りに付いている白味噌で、

 

香ばしく、甘さ控えめな味だ。この「二軒茶屋中村楼」の

「稚児餅」は期間限定で、お稚児さんが稚児社参を終えた

7月14日から7月31日までしか食べられないので貴重だ。

 

この時期にたまたま京都を訪れるなら、

是非食べに行くことを勧める。

 

 

また「稚児餅」以外にも、「三條若狭屋」が製造、販売している

ちご餅」というものがあり、甘い白味噌を求肥で包んで串に刺し、

表面には氷餅の粉がまぶしてある。

 

個人的には「二軒茶屋中村楼」の「稚児餅」の方が

香ばしくて好きだが、「三條若狭屋」の「ちご餅」が食べてみたければ、

こちらはネットでも一年中買える。

 

 

まとめ

 

 

 

 

お稚児さんや斎王代に選ばれるのはすごく名誉なことだが、

相当の費用がかかるので、一般庶民にはまず無理だと言える。

 

しかし、裏でそれだけの費用をかけて準備して

表舞台に出てくるのだから、祭りも盛り上がり、

また、見る側にも神々しく感じられるのかもしれない。

 

自分としては、日本の伝統行事が形を変えることなく

受け継がれて行くのを期待するばかりだ。