太ももや膝やふくらはぎ、指などにぶつけてできる、あざ。
あざになる主な原因は、
打ち身やケガなどの外傷による内出血ですが、
中にはぶつけた記憶のない、
身に覚えのないあざもありますよね。
痛くないそのあざには、
もしかしたら怖い病気が潜んでいるのかもしれません。
そこで今回は、
「痛みのないあざ」について
紹介いたします。
痛くないあざ。〈病気編〉
①「日光角化症(にっこうかくかしょう)」
日光角化症とは、長い間紫外線を
浴びることで発生する、
皮膚がんの初期症状と
いわれている赤いあざです。
主に、紫外線が当たる
顔や首、
腕や手の甲などの
部位に現れます。
境界線が分かりにくく、
表面がザラザラしているのが特徴です。
放置していると
ガンが悪化してしまうため、
注意が必要になります。
早期に治療してもらい、
根治を目指しましょう。
②「悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)」
皮膚がんの一種で『メラノーマ』と呼ばれています。
見た目がほくろと変わらない黒いあざなので、
見分ける必要があります。
以下の特徴が4つ以上当てはまっていたら、
悪性黒色腫である可能性が高いです。
1.左右非対称で、整った形をしていない
2.境目がギザギザ、またはぼんやりしている
3.色にむらがある
4.大きさが6mm以上ある
5.隆起している
当てはまっている特徴が
2つ以下だった場合、
ほくろの可能性があります。
他の場所に転移しやすい腫瘍なの、
早めにお医者さんに診てもらいましょう。
③「白血病(はっけつびょう)」
なかなか消えないあざがあったら、
白血病が原因かもしれません。
白血病は血液のがんで、
赤血球、白血球、血小板が
体内で作られる際に
何らかの異常が発生し、
骨髄や血液の中に作られた
がん細胞(白血病細胞)が
増殖してしまったことによって
発症する病気です。
あざはゆっくりと
時間を掛けて自然に消えていきますが、
白血病は治療が必要なので、
すぐにお医者さんに見てもらいましょう。
④「肝硬変(かんこうへん)」
首にクモの足のようなあざが出た場合、
肝硬変が疑われます。
肝硬変とは、
B・C型肝炎ウイルス感染、
長期の飲酒、
過栄養などにより、
肝臓が硬くなる病気です。
これを見過ごしてしまうと
大変なことになってしまうため、
疑いのある人は早めにチェックしましょう。
痛くないあざ。赤いあざなど〈その他編〉
①「単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)」
先天性の赤いあざです。
生まれたときから既にあるので、
脇の下やふくらはぎなど、
人によって様々な場所に現れています。
形は平坦で、
通常の皮膚との間にはっきりと
境界線が出ているのが特徴です。
大人になってからも
自然に消えることはなく、
褐色に変化したり、
色が濃くなったり、
体が成長するにつれて
面積が大きくなったりします。
②「毛細血管拡張症(もうさいけっかんかくちょうしょう)」
別名『赤ら顔』と呼ばれ、
飲酒や緊張、
気温などが原因で、
毛細血管が拡張され、
皮膚に現れた赤みが
元の状態に戻らなくなってしまったものです。
生まれつきあるものと、
成人になってから
発症するものがあります。
(『単純性血管腫』も『毛細血管拡張症』も、
基本的に自然治癒することはないので、
見た目が気にならないのであれば
そのまま放置しても大丈夫です)
③「太田母斑(おおたぼはん)」
日本人や黄色人種の女性に
多く見られる青いあざです。
主に目の周りや頬、
白目の中など、
顔の片側に現れます。
一度発症すると
自然に消えることはありませんが、
レーザーでの治療が可能です。
ですが、
白目の中にできた
太田母斑は、
眼球に負担がかかるため
難しいとされています。
④「異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)」
『蒙古斑』とは、生まれたての
赤子のお尻に現れる青いあざのことです。
その蒙古斑が、
例えば足など別の場所に現れると
『異所性蒙古斑』となります。
『太田母斑』と同様、
放置していても
悪化することはありませんが、
消えにくいのが特徴です。
痛くないあざとストレス。できたら注意しよう!
ここで取り上げた以外にも、
ストレスが原因で
あごにあざができてしまったという
話もあるそうです。
日焼けにより
茶色になることもありますが
知らないうちに身に覚えのないあざができているのは、
不調を訴える
身体からのサインなのかもしれません。
「どこにもぶつけてないのに、変だな」
と思ったら、
すぐに病院で診察してもらいましょう。